今日はラッキーだった。

今日はラッキーだった。
毎日、同じ有料トンネルを通って、職場に通っているけど、楽しみの一つができたからだ。
有料トンネルの料金所は、未だにETC決算ができない。
早くETC対応にしろよと毎朝思うけど、今日からはしばらくはして手渡しの料金にしてほしいと思った。
いつも料金所に行くと、若いきれいな女性が受け渡しをしていた。
年齢的には30代前後だろうか。
結婚指輪はしてなかったはず。
名前は何というのだろう。
料金を渡すときに、ちょっぴり触れたあの手の感触の余韻が残る。
その上「いってらっしゃいませ」との一言もあった。
思わず、急発進しそうになってしまった。
まだまだ、若さの残る自分を発見してしまった。
しかし、毎朝の声を聴けて、職場に出勤ならどんなに幸せだろうか。
早く明日が来ないかとこれほど思ったことはなかった。
仕事が憂鬱な日は、出勤したくないと思うことは良くある。
でも、出勤したいと思うことはほとんどない。
でも今日からは違う。
密かな楽しみができてしまった。
この楽しみのために今日も頑張ろうと思った。
だが、現実は甘くない。
いつもの出勤で、嫌みな上司に最高の気分をぶち壊されてしまった。
お前とは、挨拶なんか交わしたくないのに、挨拶してくるなよ。
と思いつつも「おはようございます」を言わなければならない苦痛があった。
それでも、今日の俺は違った。
右手に残るあの余韻が、なんとか前向きな一日にしてくれた。
周りからも何か良いことあったのか。
宝くじでもあたったのか。
と聞かれた。
笑いながら答えることはできなかった。
とりあえず、今日の俺は何でもできる気がした。
お陰で仕事のはかどり、こんな生活を毎日送れるのかと思っていた。
いつもより早く職場を後にして、明日を楽しみにして見ようと思った。
すると、帰りのトンネルで確認したら、あの人がいるではないか。
トンネルを出た後に、また引き返した。
馬鹿なことをしているなと思ったけど、本能が導いてくれた。
トンネルを出てUターンして、再びトンネルへ。
そしてついに、あの人の元へ行けるかと思った。
しかし、神様は無常。トンネルの入り口で並んでいたら、交代の人が来たのだった。
料金所なので、そりゃ交代はするだろうけど。
このタイミングで辞めてくれ。
かといって、入り口の渋滞から抜け出す術はない。
そのまま無情にも交代したおっさんに料金を払ってみた。
そこで、ふと思った。
料金所を出た後の建物で、仕事の終わりをしているはずだと。
そこで、その建物の入り口に向かった。
その建物では、トイレなどが設置されていて、定期券などを買うことができた。
気分でしか使わない有料トンネルの定期を買うまではいかないが、あの人がいるなら毎日、トンネルを利用しようか。
そんな葛藤の中で、建物にとりあえず入ってみた。
定期の話を聞きに来たという設定だった。
しかし、窓からみると奥の方にあの人がいたが、どうすることもできない自分がいた。
こんなときは、声をかけるべきだろうか。
もう少し様子を見てからか、今日しか会えないかもしれないし、どうするんだ。
頑張れ俺、行くしかないんじゃないか、男を見せろ。
そんな自分の声を聞き、定期の人にあの人を呼んでほしいと頼んだ。
当然、変な疑いの目で見られた。
「知り合いに似ているもので、ひょっとしたらと思って」と食い下がり何とか取り次いでもらえた。
適当な名前さんではいですか。
と聞けば良いか、同声をかけてよいのか、分からなかった。
扉があくまでの時間が、何時間にも感じられた。
扉が開くと、そこにはなんと、想像と違った人が現れた。
瞬間的に固まってしまった。
今朝の人には違いないが、思っていたような感じではなかった。
年齢的には推測通りだが、しかし、顔が違うんだよ。
俺の中では、芸能人に負けない可愛さだったし、手の柔らかさはか弱かったし、声もドキドキしたけど。
全く違った、全く違うよ。
一日の俺の思いを何とかしてくれよ。
あんたじゃないんだよ。
俺が朝から考えていた人はあんたじゃないんだよ
俺が美化した妄想に溺れただけだった。
その場で、なんと言ったかは覚えていない。
適当に行って、車に戻った。
トンネルの中をただ、何も考えずに走ったのだった。
そして、トンネルを抜けると職場への思いも出て、このまま帰る気がしないが、帰るしかなかった。
また、トンネルをUターンして、家に向かうのだった。
ハッキリ言ってトンネルがこんなに長いとは思わなかった。
前の車が走ることがこんなに嫌なことはなかった。
対向車線のヘッドライトがイライラを倍増させた。
なんて日だったのか。
トンネルを抜けるとコンビニを発見した。
トンネル代の料金に匹敵するビールを買って帰ることにしたのだ。
家に着くと、ビールを飲みながらこれを書いている。
このビールの味は、なんと表現したらよいのだろう。
トンネルの定期券なんか間違って買わなくてよかった。
人を良く見ないとだめだと思った。
もう少し観察力をつけようと決心した。
チクショウーとビールを思わず投げてしまい、慌てて掃除をしながら我に返ったのであった。
もう、日記は書かずに、寝るぞ

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